かつての鬼退治の跡地!?首里に残る聖地・内金城御嶽

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かつての鬼退治の跡地!?首里に残る聖地・内金城御嶽

内金城御嶽(うちかなぐすくうたき)ってどんなところ?

 

観光スポットとしても有名な「金城町の石畳道」のすぐ近くに、「内金城御嶽(うちかなぐすくうたき)」という場所があります。
内金城御嶽は沖縄県に昔から伝わる聖域「御嶽(うたき)」のひとつです。

 

内金城御嶽があるのは那覇市の首里地区。
首里はもともと琉球王国の政治の中心地だったため、今でもかなり栄えている地域です。
内金城御嶽はそんな首里にありながら、鬱蒼と茂る森に囲まれた御嶽となっています。
ほんの数十メートル先には都会が広がっているとは思えないほど、内金城御嶽は静かで神秘的な森に囲まれています。

 

内金城御嶽は地元の人たちに長年守られてきた御嶽であるため、昔は観光客もほとんど訪れない場所でした。
しかし首里城や金城町の石畳道に観光客が集まるようになると次第にその存在が知られはじめ、今では1日数十人程度の観光客が内金城御嶽を訪れるようになっています。

 

とはいえ未だ内金城御嶽は観光雑誌に載ることもほとんど無ければ、地元の人にオススメの観光地を聞いたところで名前の挙がるようなスポットでもありません。
内金城御嶽を訪れる観光客は、首里地区の案内板にある「内金城御嶽」の表示を見てどんな場所なのか気になったという方、つまり内金城御嶽を偶然見つけたという方がほとんどです。

 

また、内金城御嶽にはパワースポット好きが集まることもあります。
内金城御嶽は特に「願いが叶う」とか「パワーを貰える」なんて言い伝えがある場所ではないのですが、御嶽全体の神聖な雰囲気がパワースポット好きの心を掴むようです。
実際に行ってみると、確かにここがパワースポットだと思ってしまう気持ちも充分にわかります。

 

内金城御嶽には、首里城から歩いて10分程度で到着します。
ここだけを目当てに首里を訪れるという観光客はほとんどいませんが、興味のある方は首里城を見学したついでに寄ってみるのもよいでしょう。

 

 

沖縄に伝わる「ムーチー」文化発祥の地

 

沖縄には「ムーチー」という伝統食品があります。
ムーチーは黒糖や紅芋などで味付けした甘いお餅で、健康・長寿・魔除けなどの願いを込めて毎年旧暦の12月8日に食されます。
沖縄本島に住んでいる人なら知らない人は居ないこの行事ですが、実はムーチーの発祥に大きく関わったとされているのがここ内金城御嶽なんです。

 

沖縄に伝わる民話によると、このあたりには数百年前、たびたび鬼が出没したといいます。
鬼はもともと金城町に住んでいた平凡な男でしたが、山奥で暮らすうちに人間の子供を捕まえて食べるようになり、いつしか本物の鬼と化したそうです。

 

その噂を聞きつけたのは、離れたところに住んでいた妹でした。妹は兄が鬼になってしまったと聞き、久しぶりに兄に会いに行きました。
妹が兄の住居で目撃したのは鍋で煮込まれている人間の姿…妹は、兄が本当に鬼になったのだとここで確信したといいます。
その後、妹は鉄を入れた餅をこしらえて兄に食べさせ、兄が苦しんでいるタイミングを見計らっておどかし、びっくりした兄は崖の下に落ちて死にました。

 

この一件は鬼退治の逸話として伝わり、妹の気転で兄に食べさせた餅が「ムーチー」として縁起物になったと言われています。
そのため、ムーチーは漢字で書くと「鬼餅」になります。

 

さて、この鬼退治の昔話ですが、内金城御嶽となんの関係があるのかというと…
言い伝えの後半に出てくる「鬼が崖の下に落ちて死んだ」というくだり、実はこの崖というのが内金城御嶽のことなのです。
内金城御嶽は崖の側面に拝所を設けた御嶽で、言い伝えによるとこの崖の頂上から鬼が落ちてきたとされています。
つまり、内金城御嶽の拝所はそのまま「鬼が死んだ場所」ということになりますね。

 

沖縄県民なら誰もが知っている「ムーチー」。
しかしその由来となった鬼退治の民話や、その舞台となった内金城御嶽のことは沖縄県民にもほとんど知られていません。
ちょっとディープなスポットですが、地元の人にも知られていない隠れた名所がお好きな方はぜひ立ち寄ってみてください。

 

 

すぐ近くにはパワースポット「首里の大アカギ」の姿も

 

内金城御嶽の周囲は鬱蒼とした森に囲まれています。
実はこの森も、内金城御嶽とはまた違った聖域として保存されているんです。

 

特に、森の奥に立つ巨木「大アカギ」は昔から「神様の宿る木」として大切にされてきました。
推定樹齢300年を超えるという大アカギには年に一度神様が降りてきて、人々の願いをかなえてくれるという言い伝えが残っています。
神様が下りてくるのは年に一度だけなので、願い事は1人につき年に1個までだと言われています。

 

内金城御嶽を目的に首里を訪れる観光客はあまりいませんが、首里の大アカギ目当てでここを訪れる方は段々増えてきています。
県内でもパワースポットとしての人気が高い場所なので、内金城御嶽と併せて見学してみるとよいでしょう。
内金城御嶽から大アカギまでは、徒歩1分ほどで移動することができます。

 

 

内金城御嶽に関する情報

 

内金城御嶽は入場無料です。
常駐しているスタッフ等はいませんので24時間見学可能ですが、夜間はハブなどが出て危険なので日中に見学しましょう。
また、御嶽は地元では神聖な場所として大切にされているので、決して御嶽内を汚したり、物を持ち帰ったりしないよう注意してください。

 

 

場所・アクセス

 

 

住所

 

沖縄県那覇市首里金城町3

 

 

アクセス方法

 

那覇空港から車で行く場合は、首里城の駐車場に停めてから歩きましょう。
首里城からは徒歩10分の場所にあるため、首里城と併せて見学することをオススメします。

 

車よりは歩行距離が長くなりますが、モノレールで行くのもオススメです。
那覇空港からモノレールに乗って、首里駅で下車すると徒歩15分ほどで到着します。
モノレールの運賃は大人330円、子供170円の計算になります。

 

首里城から金城町の石畳道まで歩いて移動したら、道に点々と建てられている案内板を確認しながら移動してください。
案内版に「内金城御嶽」の表記があったら、脇道から森の中に入っていきましょう。

 

 

服装について

 

地面がぬかるんでいることがあるので、歩きやすい靴で行くのがよいでしょう。
また、森の中なので特に夏場は蚊やハチなどがいることがあります。虫よけスプレーを使用することをオススメします。

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