沖縄で一番古いシーサー・富盛の石彫大獅子

Sponsored Link

このエントリーをはてなブックマークに追加   

沖縄で一番古いシーサー・富盛の石彫大獅子

富盛の石彫大獅子ってどんなところ?

 

富盛の石彫大獅子(とみもりのいしぼりおおじし)は、「沖縄最古のシーサー」と言われている彫刻です。
製作者は定かではありませんが、琉球王国時代の記録によると富盛の石彫大獅子は1689年に設置されたもので、以来300年以上も同じ場所にどっしりと佇んでいます。

 

現在のシーサーは壺屋焼や漆喰などの加工しやすい素材で作られているのですが、富盛の石彫大獅子は巨岩を掘り抜いて作られています。
高さは141.2p、全長175.8pで、琉球王国時代に多く作られた石彫りのシーサーのなかでは大きい部類に入ります。

 

その姿は製作から300年以上が経過した今でもハッキリと残っており、他の地域に現存する石獅子と比べても劣化が少ないのが特徴です。
富盛の石彫大獅子は沖縄県指定有形民俗文化財にも指定されており、琉球王国時代の人々の暮らしや考え方を知るための貴重な手がかりとして大切に保存されています。

 

観光客で富盛の石彫大獅子を見学しに行く人はあまりいないので、観光スポットとしてはややディープな部類に入るでしょう。
地元でも小中学校の歴史の授業くらいでしか富盛の石彫大獅子を見に行くことは無いため、このあたりはいつもシーンと静まりかえっています。
富盛の石彫大獅子は琉球の歴史に興味のある方にだけオススメしたい、ちょっと上級者向けの観光スポットです。

 

 

大昔から村を守り続けてきた守り神

 

富盛の石彫大獅子が設置されているのは、地元で「ジリグスク」と呼ばれている城の跡地です。
城とは言っても城壁などの一目でわかる痕跡はほとんど残っていないので、言われなければそこに城があったことに誰も気づきません。
しかし、富盛の石彫大獅子だけはかつてここにジリグスクがあった時代から、全く動くことなく残り続けてきたのです。

 

そもそも富盛の石彫大獅子がここに置かれた理由は「魔除け」でした。
当時の琉球王国時代の人々はシーサーによる魔除けの力を強く信じており、良くないことが続くとシーサーを置いて魔を封じ込めようとしていました。
富盛の石彫大獅子が向いている方角には「八重瀬岳(やえせだけ)」という山があるのですが、当時の人々は占いの結果として八重瀬岳から悪いパワーが出ていると断定し、災いが村に向かないようにするべく富盛の石彫大獅子を製作したのです。

 

富盛の石彫大獅子がどれほどの魔除け効果を発揮したのかは定かではありませんが、少なくとも富盛の石彫大獅子の存在が当時の人々の心を安らげるのに役立ったことは間違いないでしょう。
科学が発展し、沖縄県民が風水や占いに頼らなくなった現在でも、富盛の石彫大獅子は魔を封じ込めるべくして八重瀬岳をにらみ続けています。

 

 

戦争の痕跡が身体に刻まれている

 

富盛の石彫大獅子をよく見てみると、あちこちに丸い穴が開いているのが分かるかと思います。
これは経年劣化による穴でも、もともと岩に空いていた自然穴でもありません。

 

実は、富盛の石彫大獅子に空いた穴は全て「銃弾の跡」なのです。
第二次世界大戦時、日本で唯一の地上戦を経験した沖縄県ですが、その中でも激戦区と言われていたのがこのあたりです。
戦前この地区に建っていた建物はおろか、樹木の一本すら残らないほどに焼き尽くされてしまった悲しい過去を持つ地域です。

 

焼け野原となってしまったこの地区で、唯一残ったのが富盛の石彫大獅子でした。
当時、富盛の石彫大獅子はこのあたりで唯一の人工物だったため、激しい銃撃戦の弾除けとして使われたことが分かっています。
富盛の石彫大獅子に隠れて日本兵の様子を伺うアメリカ軍の姿は写真で残されており、当時の生々しさを後世に伝えています。

 

ここを見学するときは、ぜひ当時の状況に想いを馳せてみてください。
富盛の石彫大獅子の体に刻まれた戦争の痕跡が、その壮絶さを伝えてくれるはずです。

 

 

富盛の石彫大獅子に関する情報

 

富盛の石彫大獅子は特に管理者も常駐していないので、いつでも好きな時間に無料で見学できます。
ただ、周囲が藪に囲まれている場所なので夜間に見学するとハブが出る恐れがあります。
危険なので日中の見学をオススメします。

 

 

場所・アクセス

 

 

住所

沖縄県島尻郡八重瀬町富盛

 

 

アクセス方法

 

富盛の石彫大獅子があるのは八重瀬町なので、那覇空港からだと車で40分ほどで行けます。
住宅地や細かい道を通っていくので、バスやタクシーよりは自分の運転で行くほうが効率的です。

 

那覇空港から出たら国道331号線を南下、糸満市にある「南海ホテル糸満」まで来たら左折して県道77号線に入ってください。
そこからしばらく道なりに進み、突き当りで右折して県道52号線に入り、10分ほど直進すれば富盛の石彫大獅子の案内看板が見えるはずです。
かなり細い脇道を通る必要があるため、住宅地に入ったら案内看板を見逃さないようにしながらゆっくり進みましょう。

 

 

服装について

 

道はある程度整備されているので歩きにくいということはありませんが、時期によっては足元の草が伸びていることがあります。
草むらから虫が出てきて刺される可能性を否定できないので、長ズボンを履いていくことをオススメします。
出来れば、虫よけスプレーを使っておくとよいでしょう。

Sponsored Link