かつて沖縄八景と呼ばれた絶景スポット・比謝川流域でのんびり散歩しよう
比謝川ってどんなところ?
比謝川(ひじゃがわ)は、沖縄本島中部を流れている川です。
沖縄市の「沖縄こどもの国」のあたりを水源としており、18.5kmかけて嘉手納町の海へと流れ出します。
もともと川の少ない沖縄県のなかでは最大の流域面積を持つ川であり、本島中南部の貴重な水源として利用されています。
昔から地元の人々の暮らしに溶け込んできた川ですが、比謝川はその昔「絶景スポット」としても知られていました。
沖縄県内に存在する8ヶ所の絶景スポットをまとめた「沖縄八景」というものがあるのですが、比謝川流域はこの沖縄八景のうちのひとつに数えられているのです。
戦前の比謝川流域には巨大な岩山が立ち並び、生い茂った森にはたくさんの鳥たちが飛来して不思議な絶景を生み出していたといわれています。
しかし正直に申し上げれば、現在は比謝川流域の開発が進んでしまったため、戦前ほどの絶景スポットではなくなってしまいました。
比謝川の絶景を形作っていた岩山はすでに道路建設のために削られてしまいましたし、森は一部残っていますがところどころに住宅やビルなどの人工物が露出しているため、戦前の光景とは違ったものになっています。
とはいえ比謝川は、土地のほとんどが米軍に接収されてしまった嘉手納町において未だに戦前の沖縄の自然環境を保つ貴重なスポットとして大切にされています。
昔ほどの絶景が望めるわけではないとはいっても、今でも地元の人々の憩いの場として親しまれていることに変わりはありません。
観光客の皆さんにも、近くにお立ち寄りの際にはぜひ比謝川の自然を見学していってほしいものです。
晴れた日は比謝川遊歩道を散歩してみよう
比謝川の脇には、川に沿うようにして作られた「比謝川遊歩道」が存在します。
現在の比謝川は沖縄県の自然保護区に指定されているため、遊歩道はいつでも綺麗に整備されて歩きやすくなっています。
しかし地元の人が時折ランニングや散歩に訪れるくらいで、遊歩道が混雑するということはほとんどありません。
比謝川遊歩道は川の流れる音と木々が風に揺れる音くらいしか聞こえないほど、とても静かで穏やかな空気に包まれているのです。
晴れている日に比謝川遊歩道を散歩すると本当に気持ちがいいので、お散歩好きな方はぜひ比謝川遊歩道を歩いてみてください。
遊歩道が設置されているあたりは、もともと岩山が立ち並ぶ渓谷だった場所です。
戦後の道路建設によって多くの岩山は削られてしまいましたが、実は遊歩道沿いには今でも一部の岩山が残されています。
ほんの数メートル横を車道が走っているとは思えないほどの大自然が広がっているので、初めて訪れる方はきっと驚くことでしょう。
生き物を観察してみよう
戦後の環境破壊で生き物が減ってしまった…なんて話もありますが、比謝川には今でも数多くの生き物が暮らしています。
生き物に興味のある方は、遊歩道を歩きながら比謝川に住む生物を探してみるのも楽しいですよ。
比謝川は水深が深く水草が多いため緑色をしていて、あまり透明度の高い川ではありません。
しかし浅いところの水面をみれば、必ずといって良いほど何らかの生き物の姿を発見することができるのです。
ボラやティラピアといった淡水魚が中心ですが、海に近い部分ではクサフグなどの海水魚も泳いでいます。
そうした魚たちを狙って、鳥たちもたくさん飛んできます。
シラサギ・チュウサギ・アオサギなどのサギ科の鳥なら、よほど天気が悪くない限りほぼ確実に見ることができるでしょう。
運が良ければ、青い宝石と呼ばれる「カワセミ」や、タカの仲間で準絶滅危惧種に分類されている「ミサゴ」なども発見できますよ!
比謝川に関する情報
比謝川遊歩道には専用の駐車場がありませんが、遊歩道の入口あたりに駐車可能な空き地があります。
そこに停めて散歩する方や、川で釣りをしている方も多いようです。
場所・アクセス
住所
沖縄県嘉手納町字嘉手納
アクセス方法
那覇空港から比謝川までは、車で1時間30分ほどかかります。
高速道路を使えば少し短縮できますが、道がややこしくなるのと距離的には遠回りになるのであまりオススメはしません。
一般道からいく場合、国道58号線を北上するルートがわかりやすいです。
那覇空港から出たら国道58号線をひたすら北へ進み、嘉手納町の水釜まで進んで下さい。
水釜のT字路を左折して最初の信号を左折して直進すると、右側に比謝川遊歩道の入口が見えてくるはずです。
営業時間
- 24時間立ち入り可能
※街灯がほとんどないので夜間の立ち入りは危険です。
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